ロック史の映像バイブル
書籍だとロック史に関するものは多く出版されていますが、映像に記録されたものだと、恐らくこれがその頂点にあたるのではないでしょうか。BBCが制作にあたり非常によく調査しており、且つそうそうたるメンバーが当時の状況を直接解説しているため、ロック史の流れが非常に良く分かります。 NHKのBSで放送されてから一度ビデオ化されたものの、DVDとして発売されるまで数年間じっと我慢し、発売とみるやためらいもなく買ってしまいました。(今でもこの値段は気になりません) これを買う人って、こんな私みたいに洋楽に"熱い"人たちなんでしょうね。
完全版ではないが、それでも買う価値あり
NHKでのTV放映を見た人ならカタログ情報を見て気づくと思いますが、全10回シリーズだったのにDVDは全9巻で発売されています。「ビー・マイ・ベイビー〜ビートルズ前夜〜」として2回目に放送された分が欠落しているのです。おそらく、イギリスでVHS3巻という形で最初にビデオ化された時に、1巻に3回分までしか収録できないということで除かれたのだろうと思われます。DVD化にあったて全部を収録する、というように変えてほしかったものです。(さらに言えば、なぜDVD1枚に1回分しか収録していないのでしょう。)各巻の内容にはTV放映時にはなかった部分も含まれているのでノーカット版かと思っていると、不思議なことにTVではあったのにDVDでは除かれている部分もあります。(最も目立ったのはDisc6「グラムロック・ブーム〜俺達は美しい〜」の冒頭で、演劇的な要素をロックに持ち込んだパイオニアとしてThe Doorsを論じた部分が完全に削除されていることです。これはこの巻の論旨から見てもなぜ削除されたのか、とても不思議です。)まあ、そのような違いがあるためにTVから録画したテープも処分できずにいます。 音声は、TV同様インタビュー部分は本人の英語、ナレーションは日本語のみ、となっています。私などは英語のナレーションでどういう表現をしていたのか聞いてみたかったので、これも残念。 全体に、VHSで出した素材をただそのままDVDに乗せただけ、という安直な仕事ですね。DVDというメディアの特性をもっと考えてほしいものです。 といろいろ文句を言いたくなるのも内容自体は文句なしに素晴らしいからです。ちゃんとした形で見たいですね。
洋楽ポピュラーミュージック史を総括する一生モノのドキュメンタリーBOX!
以前NHKで放送された時、ビデオに録画し損なって本当に悔しい思いをしてましたが、いやはや時代はDVDへと進化して、こんなに素晴らしいBOXセットになって再会出来るとは夢のようです。でもおかしなもので、いざ入手したものの、余りの内容の素晴らしさを知ってるからか、勿体なくてなかなか開封出来ず、しばらくこのBOXを回して眺めて見たり、飾ってみたり・・・。そんな高尚な一品です。とにかく「老若男女全ての洋楽愛好家は必ず見ておく必要がある!」と断言しておきます。貴重なライヴの数々は勿論のこと、衝撃的なエピソード、意外な制作秘話等、目から鱗が落ちまくる映像の連続。個人的には60年代R&Bを検証するvol.3、Grateful Deadがいかし過ぎるvol.5、NY PUNKの連中の現場映像に鳥肌が立ったvol.7、HIP HOPの歴史を紐解くVOL.9の感動度強!これでこ価格は全然高くない!!ピーター・バラカン氏の絶賛にも納得&共感。もう一度念を押します。本当に一生モノです。
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