「白村江」以後―国家危機と東アジア外交 (講談社選書メチエ)
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ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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参考価格: | ¥ 350 (消費税込)
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半島プレゼンスの崩壊と国家体制整備
日本は遥か古代の昔から大陸勢力と張り合う姿勢を露わにしており、間に挟まれる朝鮮半島は日中両勢力の均衡線となってきました。半島における紛争に日中が介入したり、日中両国が半島を舞台に激突したりと、朝鮮の人々が直面してきた地政学的な現実には極めて厳しいものがあるように思われます。「白村江の戦い」は、6世紀以来任那の衰亡に伴って半島でのプレゼンスを縮小しつつあった日本が、百済滅亡という動乱に際して一か八かの大勝負に出、大唐帝国と正面から干戈に及んだ結果、半島政治へのコミットの最終的崩壊に至ったものといえます。 本書は、この戦いを中心に、紛争の背景たる日本の外交政策の失敗や、戦後の日本における臨戦的緊張感の中での国家体制整備とアンビバレントな対中スタンスの形成などを論じています。問題意識がはっきりしており、面白く読めました。 他方、例えば、扶余豊璋のキャラクターに関し、養蜂の失敗や改元の際の朝廷からの諮問を伝える日本書紀の記述を根拠に、「元来温厚で気が弱く、政治的志向を強くもたないが、自負心のある優れた学者・文人タイプ」と決め付けた上、「戦略家・豪傑タイプ」の鬼室福信とソリが合わないことが百済復興挫折の遠因となったとか、その程度の人物を擁立したのは日本外交の失敗だとか主張していますが、これは如何にも問題意識先行と言わざるを得ないと思います。もう少し丁寧に論証を加えれば、いっそう素晴らしい出来になるのではないでしょうか。
講談社
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