「満州国」見聞記―リットン調査団同行記 (講談社学術文庫)



「満州国」見聞記―リットン調査団同行記 (講談社学術文庫)
「満州国」見聞記―リットン調査団同行記 (講談社学術文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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果たして日本は侵略国家だったのか?

ドイツ人調査団による満州、旧日本領朝鮮、中国、日本の調査時の同行記録。
読んでいて、マルコ・ポーロの東方見聞録的な印象を受けたのは私だけなんだと思うけど、この本は「リットン報告書」と併読して読んだ方がより一層理解が深まると思われます。
最近自衛関係の某田○母氏の「日本は侵略国家ではない。」との論文が話題になっていますが、この本を読むと某氏の論文の正当性がうかがえます。
詳細に関しては、他のレビュアーさんのご意見の通りなので、今更書き込むまでもないのですが、満州・朝鮮領に関しては日本政府が朝鮮領の人々に対して搾取をしていたのではなく、
民主的な方法で統治をしており、人権面でも教育面でも、また農業林業街の区画整備など様々な面で尽力を尽くしていたのが分かります。
又、中国においても流賊等の国家の統治の行き届かない盗賊等が多く、(水滸伝=流賊がネタか?とも思った)昔から伝統的に横行しており、張作霖等の支配者も流賊出身であったそうなので、宦官関連の本と照らし合わせてみても、中国って贈収賄が昔から多く、やったもん勝ちの何でもありの国なんだと分からせてくれます。
私としては張作霖・学良親子や蒋介石。孫文に関しての記述と袁世凱、溥儀と婉容とジョンストン氏の部分が面白く読めたかな。
それから、リットン調査団の一員であるハインリッヒ・ジュネー氏はシベリア鉄道に乗り帰国をしているわけだけど、満州・ハルピンあたりのロシア人と旧ソ連のシベリアのロシア人と比較してもいます。
中国国内の日本統治下の街ではロシア系の人々が思い思いに着飾り、彼らの顔には笑顔があったが、シベリアあたりになると生活に困窮した生気無いロシア人男女が多く、(冷戦時代以前のこの時代からすでにロシア人(旧ソ連人)は貧困故に国外に出たがっていたことがわかる)
農奴解放の為の共産主義革命は実は、豪農が居なくなっただけで、全ての人間が貧困層の農奴になり、共産党幹部のみが得をし(要は指導者が皇帝や貴族・豪農から共産党幹部に変わっただけ)、通常の経済活動とは逆行した異常な平等主義の為に、経済・資本その物の土台が崩れ、帝政よりも更に困窮した貧民国家になり下がったことも分かります。
欧米の植民地の統治の方法は正に搾取そのものの行為で、英国が中国国民をアヘン漬けにしたことをパクったのか?フランスもベトナムに対してベトナム人の参政権・人権を奪い、麻薬漬けにして経済活動そのものを奪い、ベトナム人を人間扱いせず統治した事を書かれてある「クォン・デ もう一人のラストエンペラー・森達也著」もお勧めです。
朝鮮半島が中国の属国のままだったら、ロシア(旧ソ連)が手をつけていたら(ベルリン陥落1945、参照)、どれだけ搾取や大量殺戮が行われていたか?を思うと、それなのに恨まれるんだからさ、日本って本当にお人好しな国ですね。
おおくをまなべる,生の中立的な立場の記述

この本は「満州国」について,また満州における日本人の功罪について,公平に記述しようとしている.また満州だけでなく,当時の日本や中国,ソ連などの状況についても書かれている.

満州の状態に関しては,治安がわるく,調査団もおもうように調査ができないことが書かれている.匪賊によってしばしば鉄道が爆破されること,朝鮮人による日本の著名人などの暗殺が横行していること,とくにリットン調査団員の暗殺計画があったことや団員をまもるために多数の警官が動員されたことについても書かれている.

日本人やその行為に関しては,つぎのようなことが書かれている.日本人がチチハルの住民に対して新しい支配者としてふりまっていたこと.「満州にいる中国人は [中略] 「満州国」に対し,ほとんど例外なく敵対感情を抱いていた」こと.また「いまから百年前ならば,おそらく中国を征服して,ここに大帝国を建設することができたかもしれない」が,当時は「日本が独占的に中国を支配しようと試みても,単に中国民衆の抵抗に遭うばかりか,中国に利権をもつ各国から反対されるであろう」と書かれている.

日本人の大陸における農林業への貢献についても書かれている.たとえば,「朝鮮人は植林もせずにやみくもに森の木を伐った.[中略] 日本人は,日本の政権が禿山に植林した業績を誇っている」.

政治的にも経済的にも混乱する日本の様子もえがかれている.たとえば政治に関しては狂信的な国家主義者によって浜口首相,井上元蔵相,犬養首相らがつぎつぎに暗殺されたこと,国民世論もこうした穏健な政治家の退陣をせまっていることが書かれている.また,農業に関しては日本人が朝鮮の稲作を発展させたこととあわせて,はげしい朝鮮米と内地米の競争や世界恐慌などから農業危機がもたらされたことが書かれている.

ソ連の行為に関しても,シベリアの住民が悲惨な目にあい,数千人の餓死者がでていること,満州に逃げのびたひとびとを中国の将軍がソ連にひきわたし,ボルシェビキに射殺されたことなどが書かれている.

最近,日本では東京裁判以降にひろめられた歴史観とともに,それを否定し大東亜戦争に価値をみいだそうとする 2 つの派があらそっているが,両極端にはしっているようにみえる.この本のように,生の中立的な立場の記述からまなべることはすくなくないとおもう.

基本的に良書である。 しかし、翻訳者の偏向が、画竜点睛を欠く。

英米仏独伊の代表により構成されたリットン調査団の、ドイツ代表、H.シュネー(当時61歳)が1932年に書いた調査旅行記と、報告書の若干の裏事情。

今の日本人にとってリットン調査団とは、日本が国際連盟を脱退し英米と戦う切っ掛けとなったエピソードしか認識がない。 確かに結論だけから言えばそうなのであるが、しかし丸1日かかって本書を読み終えたいま、リットン調査団の活動は、そんな簡単・単純なものではなかったことが分かる。 調査団にとっても、船と飛行機を乗り継ぎ道なき道を越え、シベリア鉄道で世界一周をし、中国大陸では疫病に脅え跳梁跋扈する匪賊(現代では「武装勢力」などとも言う)の襲撃を間一髪で躱しながらの、命懸けの大事業だったのだ。

順不同で本書の感想(私の感想であり、著者・翻訳者のではない)を列記する。
・調査報告書は満洲国独立を否認する一方、意外にも日本の権益を相応に認めた折衷的なものであった。
・中学校の教科書では「あの」有名な1枚の写真と共に、1ページしか割かれていないリットン調査団、ひいては満洲国の知識を生きたものにしてくれる。
・満洲建国前後の中国大陸の無政府状態・暴力の混沌は、3/4世紀の時と場所を超え、今のイラク情勢とパラレルである。 当時の日本=今のアメリカ  当時の五族=今のアラブ人、クルド人etc. と読み替えてそう見当違いはない。そして、いまよりバラけた多国籍軍!
・正当な権利(条約)の下で中国大陸に展開していた諸国の陸海軍。少なくとも当時の国際法では「侵略」とは全くいえない。
・欧米列強とロシアの、相も変わらぬ陣取り合戦。
・共産主義進出に対する、著者の警戒感。
・リットン調査団の調査対象は国民党政府と日本政府であり、中国共産党では全くなかった。
・良くも悪くも、政体に関係なく1000年来変わらない漢人の民族性。
・同じく欧米と周辺民族にとって、関わるほど泥沼に引きずり込まれる中国大陸。
・ドイツの政治家シュネーは、インタビュアーとしても卓越した能力が伺える。特に日本と中国の歴史上の著名人の人間性が良く描写されている。但し、シュネーの中国人贔屓は明らかで、噴飯物の記述もある。蒋介石と張学良賛美は、かなり割り引いて読まなくてはならない。
・第一次世界大戦でドイツが失った中国大陸の権益に対するノスタルジーは微笑ましい。
・当時の日本と中国には、ドイツ語・英語の達者なインテリが多かった。
・ノンフィクション紀行文学としても、タイムマシンに乗った気分にさせてくれる本。

残念な点を一つ書く。 原著の価値を大きく貶めてしまったのは、(他のレビュアーのかたが一人、指摘されていたが)訳者の左傾バイアスである。 最も私の癇に障ったのは、訳者が満洲国を全部「」にいれたことで、これは現在の中国政府が使う『偽満州国』とほぼ同義である。 せっかく良い翻訳なのに、イデオロギーの偏向は非常にもったいない。 私のドイツ語が原著を読めるレベルになったら、読み比べるつもりだ。

類書では、黄 文雄 (著) 「満州国は日本の植民地ではなかった (ワックBUNKO)」がお薦め。
中国を見る目

調査団は日本と中国を旅行し、様々な人間に会って調査を行っている。その結果、受けた印象は次の一文に集約されている。
「満州にいる中国人は、判明した限りでは、決して中国独自の政府の再建とはみなされない満州国に対し、ほとんど例外なく敵対感情を抱いていた」。
満州国は明らかに日本の傀儡政権だと言っているのだ。この本を読んで調査団の報告書に疑問を持ったという人は、どういう読み方をしたのだろうか。
 
それと印象的なのは、当時の中国が混乱状態にあったにもかかわらず、その潜在力を見抜いて評価していることだ。
この点は、コリン・ロス著「日中戦争見聞記」と同様である。同じ中国を、当時の日本はどうしてあそこまで侮ったのか不思議だ。
先入観を持たずに生の中国と付き合うことは、今に至るも日本人の大きな課題だろう。
全体に、著者の高い教養が滲み出ている興味深い記録。一読の価値がある。
満州とはなんだったのか

シュネーはリットン調査団のドイツ代表である。極めて客観的に観察をしようとしている。
かなり日本を入念に観察し、中国での便衣兵(ゲリラ)についても言及している。
これを読むと、どうしてリットン調査団の報告書が出来上がってきたのか疑問に思えてくる。



講談社
日中戦争見聞記―1939年のアジア (講談社学術文庫)
シナ大陸の真相―1931‐1938
全文リットン報告書
西欧の植民地喪失と日本―オランダ領東インドの消滅と日本軍抑留所
フィリピン少年が見たカミカゼ―幼い心に刻まれた優しい日本人たち (シリーズ日本人の誇り 7)




「白村江」以後―国家危機と東アジア外交 (講談社選書メチエ)

「文芸春秋」にみる昭和史〈第1巻〉

「文明の裁き」をこえて―対日戦犯裁判読解の試み (中公叢書)

「本能寺の変」本当の謎

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「民族」で読むアメリカ (講談社現代新書)

「名将」「愚将」大逆転の太平洋戦争史 (講談社+α新書)

「明治」という国家

「明治」という国家〈下〉 (NHKブックス)

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